いよいよ第1四半期の決算期シーズンが到来ですね。多くの株式会社では今週に決算発表を控えています。
7月12日に吉野家ホールディングス(9861)が2024年2月期の第1四半期決算を発表しましたので、決算を分析し、今後の株価を予想していきたいと思います。
この記事はこのようなかたの疑問や悩みを解決します。
・吉野家の今期の決算はどうだったの?
・今後株価はどうなるの?
・決算書の読み方を知りたい!
吉野家ホールディングスがどんな会社なのか、ファンダメンタル的な分析は過去の記事で紹介していますのでご覧ください。
本ブログは特定の銘柄の購入を勧めるものではありません。最終的な投資の判断は必ずご自身で行なってください。
結論
吉野家ホールディングスの株価は短期的に2,600円まで下落する
と予想します。
その理由について以下で分析していきます。
決算の内容
それでは今回の決算短信を分析していきます。
以下が吉野家の今回の決算短信です
まずは概要を押さえます。
・売上高9.9%プラス(対前年同期比)
・営業利益225.6%プラス(対前年同期比)
・純利益マイナス29.8%(対前年同期比)
・一株あたり利益はおよそマイナス30%
結果から言うと増収減益です。
良い決算かというと個人的には減益しているのであまり良くない決算だと言えます。ただ、決算の評価は人それぞれです。増収しているので今回の決算は良かったと言う人もいます。
確かに本業の利益に当たる営業利益が前年同期比で2.25倍になっているのは目を惹く値です。
この要因をまとめると下記のとおりです。
決算内容の要因
新型コロナウイルスに対する環境の変化
国内では3月からの行動制限の撤廃、5月から新型コロナウイルスが5類感染症へ移行したことに伴い、コロナ前の日常が戻り、人流が増加したことが挙げられます。また海外の店舗の売上高の伸びが良かったと記載があります。特に中国では前年同期にはロックダウンを行なっていたことから、段階的に回復が見られるようです。
「客数重視」というテーマ設定
吉野家の今期のテーマは「客数重視」で、新規顧客の獲得に向けて様々なキャンペーンをしたことが今回の増収に繋がりました。特に外販事業(会社の外での販売、営業事業)が堅調に推移し、吉野家の牛丼の具(冷凍)の売れ行きやテイクアウトの需要が大きかったことが主な増収の要因です。はなまるうどんにおける事業も価格改定や各種キャンペーンを通じ、売上高は約18%増収となりました。
今回の増収は素直に良い結果であったと思いますが、一方で、外部的な要因が味方してくれたことも事実です。次期も大幅な営業利益の増収が期待できるかと言えば厳しいかもしれません。例えば電気料金は6月までは政府による支援がありましたが、今後その支援もなくなり、夏になれば水道光熱費が嵩む懸念もありますので、今後も適正な経費コントロールが必要と言えそうです。
財務諸表分析
決算短信に財務諸表が掲載されていますので、原因とともに分析していきます。
貸借対照表
貸借対照表で見ると資産は増加しています。その要因としては貯蔵品や建物が増加したことが挙げられています。貯蔵品は吉野家でいうと牛丼の具などの在庫を意味し、建物は読んで字のごとく不動産という資産の増加を意味します。今回の四半期の中で新規出店もあったため、将来の利益につながる資産が増えていると言えます。
負債は長期借入金を26億円計上しています。大きな数字ですがその用途は不動産取得のため等様々な要因が考えられます。また賞与引当金を5億円積んでいることから負債が増加しました。一方で資産の増加の方が負債の増加額を上回ったため、今期では純資産が増加しており、自己資本比率は50%になっています。
財政的には無理な経営や株主還元を行わず、堅調に推移してきていると言っても良いと思います。株主としては増配を期待したいところでしたが仕方ありませんね。
今後の株価はどうなる?
吉野家ホールディングスの株価は短期的に2,600円まで下落する
と予想します。
その理由は
・増収したものの、減益しているので素直に好決算であると喜べないため
・決算発表前に株価の上昇が見られたため、反動で下落する可能性があるため
・増収要因は外部要因が強く、継続性に疑問があるため
下図は7/12の1日間の値動きを表したものです。参考で掲載します。
決算発表は夕方の4時だったのですが、この決算を予想してか、株価は前場から上昇していました。PTS(夜間取引)でもやや上昇している状態です。
決算では慌てたトレードをすることなく、基本は見るだけが私の基本的なスタンスです。
今後の吉野家の業績の回復を見極めつつ、トレードを楽しんでいきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見、感想などコメントいただけると嬉しいです。
以上です!
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。マズルガード三宅と申します。いつもブログ楽しみにしています。
今回の分析ではこれまで解説されていたPERなどの指標は登場していませんが、カスカブさんの中で、指標を用いた検討とそうでない検討の使い分け方に基準はありますか?教えていただけると幸いです。
マズルガード三宅 様
いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回の記事は決算から株価を分析することを軸とし、皆様に早く記事をお届けできるように
執筆いたしました。
いつもの内容より希薄さを感じてしまう箇所もあったかもしれませんが、ご理解いただけますと幸甚です。