株のPERがマイナスとはどういう意味なのか?その理由も解説します

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かぶカウ

こんにちは かぶカウです。

銘柄分析でPERを調べていると、マイナスになっている銘柄をみつけることがあります。
PERの値は小さければ割安なので、マイナスPERは一見、買い時に見えるかもしれません。しかし実はそうではないのです。

今回は前回の記事で解説できなかったPERがマイナスの株は買い時なのかについて解説します。

前回の記事ではPERとは何かをできるだけわかりやすく解説していますので、合わせてご覧ください。

今回の記事では下記の悩みを解決します。

・PERがマイナスってどういう状態なのか?

・PERがマイナスの株は超割安なのか?

・PERがマイナスだと分析の意味がないというのは本当か?

目次

PERがマイナスとはどういう状態なのか?

PERがマイナスというのはその企業が赤字(1株あたりの純利益がマイナス)の状態であるということです。

なぜそうなるのかというと、PERの算出式を見てみるとわかりやすいです。

PERの求め方は上図のようにして求めます。

ここで分子の「株価」はマイナスになることはありませんので、必然的に分母の「1株あたりの純利益」がマイナスだということがわかります。

PERが低い=割安なのか?

PERがマイナスの株は常に買い時?

かぶカウ

PERは割安度を表す指標だったよね?じゃあPERがマイナスってすごくお買い得な気がするけど

PERがマイナスの時は割安なので買い時なのではという意見があると思います。

結論から言うと、PERがマイナスだから数値的には割安=買い時ではありません。

理由は将来的に株価が下落する可能性があるためです。

PERがマイナスになる原因はPER算出式の分母である1株あたりの純利益がマイナスであることでした。

そのとき、もし当該銘柄の株価が純利益のマイナスという事実に追いついていないとした場合、今後相場で純利益のマイナスが悲観されることによって更なる株価の下落を引き起こす可能性が高まります。

一方で、必ず株価が下がるのかといえば、そうではありません。PERがマイナスになるほどの赤字でも、赤字の原因によっては投資対象の銘柄になりうるからです。

例えば、経常利益は黒字を毎期継続していたとして、何らかの理由で今期だけ特別損失を出してしまった銘柄があったとします。この場合、今期のPERは純利益が赤字なのでマイナスになりますが、次期のPERはどうなるでしょうか?

今期の赤字補填を次期に計上することにはなるかもしれませんが、本業の利益である経常利益が順調に推移している場合、次期は黒字転換し、PERもマイナスではない割安水準に回帰し、投資対象となる可能性があります。加えて、今期の当期純利益が赤字になったことで結果株価を下落させることになれば、より割安感がある銘柄にもなります。

PERは小さければ小さいほど元本回収にかかる年数が短く、結果的に割安だということができる指標です。

しかし、マイナスのPERでは元本回収の年数を表すことはできず、指標として割安かどうかを表すことはできません。そのため、マイナスのPERを記録した銘柄を購入検討する場合は、財務諸表などを確認し、当期純利益がマイナスになった原因を考え、それをすでに株価が織り込んでいるのか、また次期の業績は黒字転換する見込みなのかを分析したうえで投資を行うことが重要であると考えます。

マイナスPERは指標としての意味はないって本当?

確かに、PERの性質である投資元本を何年で回収できるのかという本来の意味に照らせば、マイナスPERは指標として意味はないと言えるかもしれません。ですが、もともとPERはその数値単体で割安なのか割高なのかを判断する指標としては馴染まない性質のものだと考えます。そのため、財務諸表やEPSの推移、同業他社の推移や過去のPERとの比較を行うことがPERを使った銘柄分析には必要なことだと考えます。その意味で、PERがマイナスであるという事実そのものが業績の悪化を示唆するものであり、今後の株価動向にもより注意が必要と教えてくれる1つの指標になり得るでしょう。

楽天の事例で見るマイナスPER

最近の業績が赤字の銘柄として楽天グループ(4755)を例にPERを見ていきたいと思います。

ちなみに以前私の記事で楽天の株価を分析していますのでよろしければご覧ください。

まず、楽天の業績を2019年から見てみます。

楽天は携帯電話の第4のキャリアとして「楽天モバイル」事業を2019年から立ち上げています。この事業の設備投資などのため、長い間赤字が続いています。1株あたりの純利益がマイナスのため、PERはマイナスになっており、下図のように、表示されなくなっています。

出典:Trading Viewより引用

そのため、まずは即座に楽天が現時点で割安なので買いなのか?という問いには「まだわからない」が答えになります。そしてこの場合重要なことは今後の業績がどうなるのかを予想することと、株価がどのように今後動くかを予想することです。

まずは今後の業績予想をしてみましょう。

出典:Trading Viewより引用

上の図は今後のEPSの予想値を表したものです。このグラフを見る限り、2023年の2Q、3Q、4Qの予測1株あたり純利益は赤字予想となっています。そのため、黒字転換にはまだしばらく時間がかかりそうです。

また、現在の楽天の株価チャートが下図の通りです。

出典:Trading Viewより引用

上図のように、1ヶ月間のチャートを見てもトレンドは下げトレンドであることがわかります。(ちなみに執筆している2023年6月22日時点でついに株価は400円台まで下落しています)

このように、PERだけでは現在の株価が安いのかわからないときには様々な指標から割安な位置にいるのかどうかを分析することが重要だということがわかります。

そのうえで買い時を見極めて購入判断をしていくことが大切ですね。

ちなみにシャープは黒字転換

下図はシャープ(6753)の今年と来年の決算資料を表にまとめたものです。

今期は赤字転落でPERはマイナスでしたが、来期は黒字転換の業績予想が出され、それにより現在の株価と予想EPSから、来期のPERは現段階の株価で52倍もの値がついています。このように一見赤字でマイナスのPERが出ていたとしても、黒字転換することによってPERの値が再び計算され、表示されるようになります。

業績が今後黒字転換しそうかどうかを判断するために

ここまで、業績が赤字であれば今後の業績を分析して株式購入の判断材料にすると話をしてきました。そのための分析手段の1つとして「実質PER」の計算を紹介します。

PERは特別損益の影響を大きく受けやすい指標です。特別損益とは当該年度のみ発生した臨時的な損益のことです。これにより、1会計期間のみ、業績が良くなる、または悪くなるということが起き、その影響がPERの値に出てしまうことがあります。実質PERは特別損益の影響を排してPERの値を求めることができます。

算出式は下記のとおりです。

実質PER=株価÷(経常利益×65%÷発行済株式数)

企業の純利益は経常利益から特別損益を加減算してそこから税金を引いて計算します。

現在の日本の法人税は約35%ですので経常利益から税金分を差し引いて65%をかけることで求めます。企業の純利益の分析の際にはぜひ活用してみてください。

まとめ

今日はPERがマイナスの企業が本当に割安なのかということについて解説してきました。

まとめると下記のとおりです。

・PERがマイナスってどういう状況なのか?

 1株あたりの(予想)当期純利益がマイナスの場合、PERはマイナスになる。

・PERは値が小さい方が割安なのだから即座に買いなのか?

 マイナスだからといって即座に買いではない。今後の業績、株価の推移を分析してから購入判断をするべき。

・PERがマイナスというのは意味がないのか?

 意味がないことはない。単純に割安な指標としては安易に使えないが、現在の業績が赤字であること、赤字原因が何なのか調べることの重要性を示唆していると言える。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日はPERについての解説記事のパート2でした。

次回は完結編 具体的にPERを分析にどう使っていくのかを解説します。

ご意見、ご感想ありましたらコメントいただけると嬉しいです。

以上です!

参考文献 改訂版:ファンダメンタル投資の教科書 足立 武志 著

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