理想的な株のPERは?|具体的にPERを銘柄分析に使う方法を解説

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かぶカウ

こんにちは かぶカウです。

前回の記事まで、PERとは何か?から始まり、PERがマイナスの銘柄はどういうことなのか?、PERが低い=買い時なのか?など、PERについて深掘りしてブログを書きました。

今回はこのPERを使って具体的にどういった分析をするのか丁寧に解説していきます!

PERの計算方法がわからないというかたは前回までの記事をご覧ください。

またPERがマイナスになる銘柄なんてあるの?というかたは下記の記事をご覧ください。

今回の記事では下記の悩みを解決します。

・PERは単体で割安ということはない?

・PERをどうやって分析に使ったらいいの?

・PERが低くて本当に狙い目な銘柄とは?

・PERが高いけど将来の業績が伸びる成長株とは?

目次

PERは単体で割安を判断する指標ではない

はじめに、前回までのPERの解説記事でもご紹介していますが、PERは単に数値だけ見て割安かどうかを判断する指標ではありません。

下図をご覧ください。

これは架空の同業社3社のPERを並べたものです。

一見すると当期の(予想)純資産から求めたPERより、カスカブ商事の株がもっとも割安のように見えます。

しかし、今後5年間の総額の予想純利益が表のとおりだとすると、現在株価をもとにPERを計算し、全ての会社でPERは同じ値になります

つまり、現在見えているPERは各社で違っても、将来得られる利益(成長性)によっては現在の値だけをみて割安と判断するのは難しいということです。

PERをどうやって分析に使ったらいいの?

前回までのブログで、まずPERは割安度を測る指標であること、単純にPERを見ただけではその銘柄が割安なのか割高なのかはわからないことを学びました。

では一体PERはどのように指標分析に使えば良いのでしょうか?

PBR・ROEとの関係性から割安度を測る

新しい用語が出てきたので解説します。

用語解説

PBR:「株価純資産倍率」という株価の割安度を測る指標

   計算式:株価÷1株あたりの純資産

ROE:「株価収益率」という企業の経営のうまさを測る指標

   計算式:1株あたりの当期純利益÷1株あたりの純資産

PERの計算式が株価÷1株あたりの当期純利益ですので、下記の式が成り立ちます。

PBR=ROE×PER

ここまでで難しいと感じたかたは上記の式だけまずは理解できればOKです。

PBRもROEも銘柄を分析するうえで非常に重要な指標ですが、今回はPERの分析記事のため、細かくは割愛します。いずれ記事を書けたらなと思います。

話がそれましたが、上記の関係式が何を意味するのかというと、PERは単体で銘柄を分析する指標ではなく、他の指標と組み合わせてみることで、その企業がどのような状態で割安(割高)なのかを知ることができるのです。

まず、上の式よりPBRが低ければ、ROE×PERも低くなります。PBRも株価の割安度合いを測る指標ですので、PBRが小さければ割安に見えますが、ROEも低いため、企業の収益性が期待できない、つまり企業の成長が期待できずに株価の上昇も期待できない可能性があります。

一方でPBRが高い=ROE×PERが高いことを意味しますが、注意すべきはPERだけが高い場合です。この場合、会社の収益性はほとんどないのに、割高になっているケースが想定されます。

この関係式を使って割安銘柄を探す方法はズバリこの方法

PERが低くROEが高い、かつその結果PBRが低い銘柄を見つける。

ROEが高いにもかかわらず、PERが低いため、結果的にPBRも低く放置されている銘柄があったとします。そういった銘柄は収益性の高さが適正に株価に反映されていない可能性があり、PER分析の観点で言えば「割安」と言えます。

同業他社のPERと比較する

PERを使った銘柄分析をする際に有益な方法の1つとして同業他社のPERと比較することが挙げられます。理由は業種によって平均的なPER水準はバラバラだからです。同業他社のPERが比較対象の目安になり、当該銘柄のPER水準がわかることはもとより、同業他社と比較して当該銘柄のPERだけ高い(低い)場合、どのような理由でそうなっているのか調べることで、より深い分析を行うことができます。

例として下図をご覧ください

上図のPERは商社株の本日時点のPERを並べたものです。そこまで大きく数値に差異がないため、概ね標準的なPERであると言えますが、その中でもPERが低い住友商事の株価を見てみると下図のチャートのとおりです。他の商社株のチャートに比べ、ここ数日の株価の下落が大きく見えます。株価が下がるとPERは下がりますので次になぜ株価が住友商事だけ大きく下落したのか、、、といったように分析を続けていきます。

出典:Trading Viewより引用

同一銘柄の過去のPER水準と比較する

同一銘柄で過去のPER水準と比較することも非常に重要です。なぜなら、同一銘柄でPERを比較することは株価の今後の動向を予想することにつながるからです。

PERは株価収益率のことで株価と1株あたりの予想純資産との関係性を表しています。1株あたりの純資産が増加することでPERは下がります。

株価にほとんど変化がないにも関わらず、1株あたりの純資産額が増加しているような銘柄を見つけることができれば、業績に対して株価が放置されている、つまり、将来株価の上昇が期待できる銘柄ということもできます。

PERが高いけど狙い目な成長株投資

成長株に投資する際は、PERの分析方法が割安株を探すときとは若干異なります。

成長株への投資は将来の一株あたりの純利益の増加を見越して株を買うためです。

上の図をご覧ください。

例えば、会社Aの現在の株価が10,000円、1株あたり純利益が100円とします。一方で会社Bの株価は5,000円、一株あたりの純利益は100円とします。

PERはA社10,000÷100=100倍、B社5000÷100=50倍です。割安株を探しているときにこの100倍と50倍というPERであれば50倍の方が割安です。なぜなら割安株を探している場合、1株あたりの純利益が今後伸長することは想定していないからです。

一方で、成長株を探しているときに、A社の今後の1株あたりの純利益は1000円になると予想している場合、将来的なPERは10000÷1000=10倍となり、現在仕込む価値のある株であると投資判断できます。

そういうわけで、同じ銘柄でも、どのような目的で買う株なのかによってPERの見え方が違います。

まとめ

今日はPERを実際の銘柄分析でどのように使ったら良いのかということについて、解説しました。

今日の内容をまとめると下記のようになります。

・PBR=ROE×PERから企業の将来性を判断する

・同業他社とPERを比較する

・過去のPER水準と比較する

・成長株・割安株を探しているかによってPERの投資判断基準は異なる

とはいえ、この分析能力は著者含め一朝一夕で習得できるものではありません。

トライアンドエラーを繰り返しながら、自らの投資目的を明確にもって投資することが何よりも大切なことであるということは言うまでもありません。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。PERについて3本の記事で解説してきましたがいかがだったでしょうか?

今後も投資にかかる各種指標について、リクエストがあれば解説していきたいと考えていますのでコメントいただけると嬉しいです。

以上です!

本ブログ記事では、特定の銘柄の購入を勧めるまたは勧めないものではありません。最終的な投資判断はご自身で行なっていただきますようお願いいたします。万が一投資によって損失が生じても当ブログで責任はおいかねますのでご了承ください。

参考文献 改訂版:ファンダメンタル投資の教科書 足立 武志 著

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